女将さんブログ

日本酒の「冷や」。あなたは説明できますか?

生ハムとメロンは別々に食べた方がいいと思っているとりニの女将さんです。なんか、きゅうりみたいじゃない?(笑)

最近、急に気温が下がってきて、まさに絶好の『秋酒日和』♡

今年は暑さが長引ってニュースで散々言われていたから・・・
実は『秋酒、売れるのかな・・・』と不安でいっぱいでした。

ところがどっこい!
とりニでは秋酒が、まるでアンパンマンの顔を奪い合うかのように大人気。

ついに呆れて仕入れすぎても何も言わなくなった大将を尻目に、実は秋酒を仕入れすぎて焦っていた私。

結果よければ全てよしっ(笑)
(計画性ないやん・・・・)

やっぱり日本人は、気候の変化を肌で感じると自然と季節の味を求めちゃう人種。
でも・・・秋は物悲しくてなんだか切ない気分になるのは私だけ?

でも大丈夫。秋酒はそんなあなたにぴったりなんです。

今日は、ちょっと真面目に『秋の日本酒』についてお話をしようと思います。

なんとなくしか分からなかったことが、『そうだったんだ!』と理解できると日本酒の味も格別になりますよ(笑)

そうは言ってもムズかしいハナシは私は大っキラいなのでご安心を(笑)

まず前提として、私は秋におすすめしたいお酒全体を『秋酒』と呼んでいます。

細かい話をすれば、『秋酒』の中に「ひやおろし」「秋上がり」と呼ばれるお酒が入っています。

『日本酒冷やでちょうだい!』
とよく言われますが、あなたはどの温度帯だと思いますか?

冷蔵の10度以下・・・?

正解は『常温』です。

日本酒の専門用語としては、冷や=常温 なんです。

かといって、私は『日本酒冷やでちょうだい!』と言われても常温で出したことはありません。

何故かって????

だって、注文してくださっている方が本当に望んでいるものをお出ししたいからです。

明らかに鬼殺隊の柱クラスの玄人だったら少し考えますが(笑)
(鬼滅・・・・)
一般常識的に「冷や」と言われたら「冷たいお酒が飲みたいんだな」と表情を見ながら考えます。

さてさて、あなたも気になったでしょ。
そもそもなんでこんなややこしい専門用語になってしまったのか。

真実はいつもひとつ!
『日本が暑くなりすぎてしまった』からなんです。

さかのぼること江戸時代・・・・
あの頃はあんなに涼しい夏だったのになぁ・・・・。(遠い目)

江戸時代の人が現代にタイムスリップしてきたら・・・・
一瞬で燃え尽きてしまうかも。

冬に仕込んだお酒を春に一度火入れして。
夏の期間は涼しい蔵の中で保存。
外気温が蔵の中と同じくらいになる秋に常温のまま蔵から出荷する(卸す)。これがひやおろし。

・・・難しいことはここまで(笑)
結論、ひと夏越えたお酒は
・まろやか
・旨味のアップ
・香りが柔らか

フレッシュで軽い夏酒とは違う、円熟味のあるコク深さが魅力♡

ここまで長くなってしまったので、『秋上がり』については簡潔に・・・。

「秋上がり」は『上手に熟成されています』ということを表すワード。

わかりやすく言うと、ひやおろしは「製法名」に対して、秋上がりは「秋用にうまくできています。どうだ!飲んでみやがれ」
って感じです(笑)

最近では、『秋』とは表記がなくても、販売時期で『秋酒』ととらえることも。

どちらにせよ、秋に出てくるお酒はコク深くて、秋の食材にぴったり。

日本酒を口に含みながら、ちょびっと物悲しい秋の空気を感じつつ・・・
物思いにふけってキュンとしてみても・・・
たまにはいいじゃないですか?(笑)


番外編
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とりニの女将さん
長尾愛友Ayu Nagao 愛知県豊田市 炭火焼鳥とりニ女将 『飲食店は楽しむ場所』がモットー。 日本酒と焼鳥を愛する飲兵衛女将。 手作りのお料理と20種類以上展開する日本酒銘柄の ペアリング実験を日々行っています。 この記事があなたの『今夜の一杯』のヒントになれば 嬉しいです。

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